人民元、3年ぶり反発=株価も大幅高の中国―20年 2020年12月31日

 【上海時事】2020年の人民元の対ドル相場は、中国経済の回復期待から3年ぶりに反発した。31日は大方の取引が終わる午後4時半時点で1ドル=6.5398元と、前年末比6.5%高の水準。株価も大幅高となり、代表的な上海総合指数は同13.9%高で年内最終日の取引を終えた。
 中国では年明けから新型コロナウイルスの流行が深刻化。中国全土で交通が寸断し、経済活動がまひする中、人民元、株価いずれも大幅に下落した。ただ、春以降は厳格なロックダウン(都市封鎖)など強権的な手法でコロナの抑え込みに成功。世界に先駆け、経済の回復局面に入った。
 最近はマスクや在宅勤務用のパソコンなど、コロナ特需が輸出を押し上げる一方、海外旅行需要の消滅でサービス収支の赤字が縮小し、経常収支が急回復している。また、世界的な金融緩和を背景に海外マネーの流入も活発化。人民元相場や株価を押し上げた。 

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