新卒採用「減」が「増」上回る=コロナ影響、11年ぶり―リクルート 2020年12月21日

 リクルートワークス研究所が21日発表した2022年卒の新卒採用見通しに関する調査で、大学・大学院生の採用が前年より「減る」と回答した企業は11.6%で、「増える」と回答した企業(7.7%)を3.9ポイント上回った。減るが増えるを逆転するのは11年ぶり。新型コロナウイルス禍の影響で、飲食店・宿泊業などで採用が落ち込む。
 21年卒の調査では、採用増が3.9ポイント上回っていた。10年以上続いた「売り手市場」に陰りが出ている格好だ。
 採用が増えるか減るか「わからない」と回答した企業は26.1%(21年卒は19.7%)と急増。コロナ禍が業績や景気に与える影響を見極めるため、採用計画の決定に遅れが出ているもようだ。業種別の傾向では、外出自粛などで客足が急減した飲食店・宿泊業のほか、卸売業などが採用を絞る。
 一方、規模別では従業員数が5~99人の中・小規模企業や、建設業などの業種では採用意欲は依然として根強い。古屋星斗研究員は「採用難が落ち着いた機会に若手の獲得を目指す企業が多い」と指摘。採用計画が未定の企業も多く「(就職活動の)選択肢は十分にある」と述べている。
 調査は従業員5人以上の民間企業7200社を対象に10月7日から11月12日に実施、4516社から回答を得た。 

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