11月の輸出、4.2%減=対米、3カ月ぶりマイナス 2020年12月16日

 財務省が16日発表した11月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比4.2%減の6兆1136億円だった。中国向けはプラスを維持したが、米国向けが3カ月ぶりにマイナスに転じた。全体の輸入額も減少しており、新型コロナウイルス感染拡大の影響で貿易の停滞が続いている。
 輸出全体では、オーストラリアへの軽油やカザフスタンへの鉄鋼の減少が目立った。米国向けは2.5%減の1兆1813億円。航空機部品や医薬品などが落ち込んだ。
 一方、中国向けは3.8%増の1兆3595億円となり、5カ月連続のプラス。非鉄金属や自動車などが伸びた。
 輸入額は全体で、11.1%減の5兆7469億円。アラブ首長国連邦からの原油や粗油、オーストラリアからの液化天然ガスなどが減少した。米国からの輸入は13.9%減で、航空機や石炭などが落ち込んでマイナス。ただ、中国からは携帯電話やパソコンなどが伸びて6.7%増となり、5カ月ぶりにプラスとなった。
 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3668億円の黒字となった。 

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