景況感、2期連続改善=製造業DIマイナス10―非製造業は悪化へ・12月日銀短観 2020年12月14日

 日銀が14日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でマイナス10と、前回9月調査から17ポイント上昇、2四半期連続で改善した。ただ、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、非製造業で先行きは悪化を予想。景気回復にブレーキがかかる恐れが強まっている。
 DIは、業況が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いて算出する。大企業非製造業もマイナス5と7ポイント上昇したが、製造業、非製造業ともにマイナス圏内にとどまり、水準はコロナ前からは程遠い。
 大企業製造業は、中国市場の好調に支えられた自動車が48ポイント上昇し、回復をけん引した。非製造業も政府の需要喚起策「Go To」キャンペーンの効果もあり、建設を除く全業種で改善が見られた。
 しかし、先行きでは明暗が分かれた。製造業が大企業や中小で小幅ながら改善した一方、非製造業は全規模で悪化に転じた。特に、飲食や宿泊などの割合の多い中小企業はマイナス20を予想。全規模全産業の先行き見通しも3ポイント悪化のマイナス18となった。 

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