土地、車で負担軽減=減税総額600億円―脱炭素、DXも・与党税制改正大綱 2020年12月10日

 自民、公明両党は10日、国会内で与党税制協議会を開き、2021年度税制改正大綱を決定した。固定資産税の負担軽減、エコカー減税の延長など、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた減税措置に重点を置き、国・地方合わせた減税規模は総額600億円程度に上る見通し。コロナ後を見据え、脱炭素やデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の設備投資減税も盛り込んだ。
 コロナ禍でも企業の投資意欲を引き出すため、赤字を翌年度以降の黒字と相殺できる繰越欠損金制度も拡充する。
 主要項目が軒並み減税となった背景にある新型コロナの感染拡大について、自民党の甘利明税調会長は「過去に例を見ない惨禍だ」と強調。公明党の西田実仁税調会長も「異例の状況下にある」との認識を示した。
 焦点の固定資産税は、新型コロナの影響で税負担が過重になるのを防ぐため、21年度に限り、全ての土地で課税額が増えないよう特例措置を導入。地価が上昇した土地の課税額は据え置きとし、下落分はそのまま引き下げる。
 21年度は3年に1度の評価額見直し時期に当たる。地価が上昇傾向にあった20年1月1日時点で算定しており、その時点で上昇していても、その後下落した場合もあることから、家計にも配慮し、住宅地を含めて据え置くことにした。
 自動車重量税を燃費性能などに応じて減免するエコカー減税は2年間延長し、減免対象車種の割合は現在の水準を維持。自動車取得時に車体価額の3%が課される「環境性能割」も、非課税の割合を現行の約5割のままとし、21年3月末までとしてきた1%分の軽減措置を9カ月間延長する。
 一方、クリーンディーゼル車は一律免税措置から除外。激変緩和措置を講じつつ、23年度にはガソリン車同様、燃費性能に応じて課税する。 

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2021年度税制改正大綱を手に、撮影に応じる自民党の甘利明税調会長(右)と公明党の西田実仁税調会長=10日午後、衆院議員会館
2021年度税制改正大綱を手に、撮影に応じる自民党の甘利明税調会長(右)と公明党の西田実仁税調会長=10日午後、衆院議員会館

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