10月消費者物価、0.7%下落=GoTo影響、9年7カ月ぶり 2020年11月20日

 総務省が20日発表した10月の全国消費者物価指数(2015年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が101.3となり、前年同月比0.7%下落した。マイナスは3カ月連続で、11年3月(0.7%下落)以来、9年7カ月ぶりの落ち込み幅。政府の観光支援事業「Go To トラベル」による宿泊料下落や原油安に伴うガソリン価格の低下が物価を押し下げた。
 宿泊料は37.1%の下落。10月から「Go To」に東京都発着の旅行が加わり、マイナス幅は9月(30.0%)からさらに拡大した。ガソリンは9.2%、同様に原油安が反映された電気代も4.7%のそれぞれ低下となった。
 一方、家電製品などを含む家庭用耐久財は0.8%上昇した。
 「Go To」の影響を除いた場合、総合指数は0.2%の低下にとどまる。また、昨年10月の増税から1年が経過した消費税が物価を押し上げる効果が剥落した面もある。このため、総務省は「(Go Toなどの)制度要因を除いた全体で慎重に見る必要がある」(統計局)と指摘している。 

特集、解説記事