両陣営、激戦州でラストスパート=米大統領選、3日投票 2020年11月01日

 【ワシントン時事】米大統領選は3日、投票が行われる。投票前最後の週末、再選を目指すトランプ大統領(74)と民主党のバイデン前副大統領(77)は、それぞれ激戦州を精力的に遊説。激しい非難合戦を繰り広げ、支持拡大へラストスパートをかけた。
 トランプ氏は10月31日、東部ペンシルベニア州の4カ所で選挙集会を開催。「バイデンの演説を見たが、口を開けば新型コロナウイルスの話ばかり。他に言うことがないらしい」と批判した。バイデン氏がサングラス姿で演説したことにも触れ「目の(整形)手術をしたのを見られたくないのだろう」とやゆした。
 また、トランプ氏は同日、トランプ支持者の運転とみられる多数の車がテキサス州で、バイデン陣営スタッフを乗せたバスを囲み進路を妨害する動画をツイッターに掲載し、「テキサスは大好きだ」と書き込んだ。バイデン陣営は、この妨害行為で行事が中止に追い込まれたと主張。声明で「トランプ支持者は建設的な対話ではなく、バイデン氏のスタッフや支持者を乱暴なやり方で追い出すことを選んだ」と非難した。
 一方、バイデン氏は中西部ミシガン州の選挙集会で「最前線の医療関係者が全力でウイルスと闘っているのに、(トランプ)大統領は降参した。ウイルス打倒の第一歩は、ドナルド・トランプを打倒することだ」と訴えた。トランプ氏がテレビ司会者時代、髪形をセットする費用7万ドル(約730万円)超を経費で落としたことに言及し、「私は髪が薄いが、この方がいい」と笑いを誘った。
 集会にはオバマ前大統領も駆け付け、今回の選挙戦で初めて前正副大統領が支持者の前にそろい踏み。オバマ氏は、トランプ氏が前日の演説で、新型コロナ禍で医者がもうけていると発言したことを取り上げ「他人を救うために、見返りなく自分の命を危険にさらす人もいるということが、彼には理解できない」と非難した。
 米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、大統領選で期日前投票と郵便投票を済ませた人は、31日までに計9100万人を超えた。2016年大統領選での全投票者数のおよそ3分の2に相当し、米史上初めて全投票の半分以上が事前に投じられる見通しという。 

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31日、米東部ペンシルベニア州ニュートンの選挙集会で話すトランプ大統領(AFP時事)
31日、米東部ペンシルベニア州ニュートンの選挙集会で話すトランプ大統領(AFP時事)
31日、米中西部ミシガン州フリントの選挙集会で、声援に応えるオバマ前大統領(左)とバイデン前副大統領(AFP時事)
31日、米中西部ミシガン州フリントの選挙集会で、声援に応えるオバマ前大統領(左)とバイデン前副大統領(AFP時事)

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