ANA、5100億円の赤字=コロナ禍で過去最大―21年3月期 2020年10月27日

 ANAホールディングスは27日、2021年3月期の連結純損益が5100億円の赤字(前期実績は276億円の黒字)となる見通しだと発表した。新型コロナウイルスの影響で国際線を中心に旅客需要が急減し、過去最大の赤字に陥る。財務基盤を強化するため、一部を資本と見なせる劣後ローンで4000億円を調達。人員や運航機材数の圧縮を柱とするスリム化や、格安航空会社(LCC)を強化する事業構造改革で生き残りを図る。
 片野坂真哉社長は記者会見で「業績見通しは非常に厳しいものになる」と語った上で、「来年度はあらゆる手を打ち、黒字化を実現したい」と決意を示した。
 通期の売上高は前期比62.5%減の7400億円と予想。政府の観光支援策「Go To トラベル」の効果などで旅客需要は徐々に回復に向かっているものの、21年3月末時点で国内旅客の回復は7割、国際線は5割にとどまると想定した。売り上げの大幅な落ち込みや運航機材の大量退役などに伴い1100億円の特別損失が発生し、赤字が膨らむ。 

その他の写真

記者会見するANAホールディングスの片野坂真哉社長=27日午後、東京都港区
記者会見するANAホールディングスの片野坂真哉社長=27日午後、東京都港区

特集、解説記事