9月の輸出、4.9%減=対米は14カ月ぶりプラス 2020年10月19日

 財務省が19日発表した9月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比4.9%減の6兆551億円だった。新型コロナウイルスの影響で輸出は全体として低迷が続く一方、米国向けが14カ月ぶりにプラスに転換、中国向けも伸びた。同時に輸入も減ったことから、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6750億円と3カ月連続で黒字を確保した。
 対米輸出は0.7%増の1兆1953億円。販売が回復している自動車のほか重電機器、医薬品などが増えた。対中は14.0%増の1兆3417億円で3カ月連続の増加。非鉄金属、半導体製造装置、自動車の出荷が好調だった。
 欧州連合(EU)向け輸出は10.6%減の5541億円だった。マイナス幅は7月(30.5%)の3分の1まで縮小したものの、欧州での新型コロナの感染再拡大が今後の懸念材料と言えそうだ。対アジア(除く中国)は2.0%減の3兆3770億円。
 輸入は、全体で17.2%減の5兆3801億円。国内景気の悪化により、原油などエネルギー関連を中心に減少が続いている。 

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