8月の輸出、14.8%減=コロナ影響続く―対中は2カ月連続増・財務省 2020年09月16日

 財務省が16日発表した8月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比14.8%減の5兆2327億円だった。減少幅は縮小傾向にあるものの、新型コロナウイルスの影響が強く残り2桁減が続いている。一方、中国向けの輸出は2カ月連続のプラスとなった。
 輸入は、原油や液化天然ガスなどエネルギー関連が大幅に減少し、20.8%減の4兆9844億円。この結果、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2483億円の黒字となった。黒字は2カ月連続。
 輸出の減少は21カ月連続。5月の28.3%減をピークに、6月(26.2%)、7月(19.2%)、8月とマイナス幅の縮小が続くが、財務省は「本当に需要が戻ってきたのか、今までの反動的なものか(動向を)見ていかないといけない」としている。
 輸出の内訳を見ると、自動車が19.4%、軽油など鉱物性燃料が68.8%、船舶が57.3%それぞれ減少。仕向け地別では、米国が原動機や医薬品を中心に21.3%減の9369億円、欧州連合(EU)は19.2%減の4763億円だった。
 一方、中国は5.1%増の1兆2616億円。半導体等製造装置が35.6%、非鉄金属が81.4%それぞれ大幅に増えた。 

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