7月経常黒字、27.4%減=配当・旅行が落ち込み 2020年09月08日

 財務省が8日発表した7月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は、前年同月比27.4%減の1兆4683億円の黒字となった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な景気悪化で海外からの配当金の受け取りが減り、第1次所得収支の黒字幅が縮小。旅行収支も大幅に落ち込んだ。
 貿易収支は1373億円の黒字。輸入額の減少が輸出額のマイナス分を上回った結果、4カ月ぶりに黒字転換した。主な品目別に見ると、輸出では米国向けの自動車やタイ向けの自動車部品など、輸入では原粗油や液化天然ガス(LNG)が大きく減った。
 企業が海外から受け取る配当や利子収入などを示す第1次所得収支は25.1%減の1兆7827億円だった。業績低迷で海外子会社からの配当などが振るわなかった。
 旅行や輸送といった取引の収支を示すサービス収支は3495億円の赤字。このうち旅行収支(215億円の黒字)は、訪日外国人数が激減している影響から9割以上落ち込んだ。 

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