バイデン氏、激戦州遊説へ=トランプ氏反転攻勢狙う―米大統領選 2020年08月29日

 【ワシントン時事】11月の米大統領選の候補者に正式指名された民主党のバイデン前副大統領(77)は、オンライン中心の選挙運動を見直し激戦州での遊説を開始する。米メディアが伝えた。世論調査で劣勢に立つ共和党のトランプ大統領(74)も党大会閉幕から一夜明けた28日に選挙集会を開き、反転攻勢へ本格始動した。
 米紙ポリティコによると、バイデン氏は27日、9月7日の「労働者の日」以降にペンシルベニアなどの激戦州での活動を始める計画を表明した。バイデン氏の消極的な活動に対しては、トランプ氏が「彼は地下室から出てこない」と批判していた。
 一方、トランプ氏はニューハンプシャー州で開いた1000人規模の選挙集会で「私は民主党史上最悪の候補者と戦う栄誉に浴している」と語り、バイデン氏への個人攻撃を強めた。
 バイデン氏が活動再開の場所として念頭に置くのは、前回大統領選で民主党のクリントン元国務長官がトランプ氏に敗れた六つの激戦州だ。
 選挙情勢を分析するバージニア大政治センターは、バイデン氏が4年前のクリントン氏よりも「無党派層で浸透している」と指摘。6激戦州のうち、ラストベルト(さび付いた工業地帯)のミシガン、ペンシルベニア両州でバイデン氏が「やや有利」と分析する。
 残る4激戦州、ウィスコンシン、フロリダ、ノースカロライナ、アリゾナについては「互角」とみる。
 大統領選は各州と首都ワシントンに割り当てられた選挙人538人の過半数270人を争う。基本的に勝者総取りのため、激戦州で勝てるかどうかが命運を分ける。バイデン氏はミシガン、ペンシルベニアに加え、あと1州を勝てば過半数に届く公算が大きいと言われる。 

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支持者と写真撮影するバイデン前米副大統領=2月22日、ラスベガス(AFP時事)
支持者と写真撮影するバイデン前米副大統領=2月22日、ラスベガス(AFP時事)

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