景気判断、「持ち直し」維持=輸出と生産を上方修正―8月月例報告 2020年08月27日

 政府は27日に公表した8月の月例経済報告で、景気の全体判断を据え置いた。「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、このところ持ち直しの動きが見られる」とした7月の認識を踏襲した。海外での経済活動再開を受け、輸出と生産の判断は2カ月連続で上方修正した。
 先行きについては「持ち直しの動きが続くことが期待される」と指摘。しかし、感染拡大の収束が見通せない中、「感染症が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある」と警戒感を引き続き示した。
 記者会見した西村康稔経済財政担当相は「消費下支え策を講じながら、内需主導で輸出も上向く形で、経済を成長軌道に戻していきたい」と述べた。
 7月に上方修正した個人消費は「このところ持ち直している」に据え置いた。国民に一律10万円を配る特別定額給付金の効果もあり、家電や自動車の販売は持ち直しの動きが続いた。しかし、7月後半以降は感染再拡大や天候不順の影響で消費回復に足踏みの動きが出ており、内閣府幹部は「この先どうなるかが課題だ」としている。
 一方、輸出は米国向けが底打ちしたことや中国向けの増加を受けて「持ち直しの動きが見られる」に上方修正。生産も自動車を中心に「一部に持ち直しの動きが見られる」と判断を引き上げた。 

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月例経済報告等に関する関係閣僚会議に臨む安倍晋三首相(右)=27日午後、首相官邸
月例経済報告等に関する関係閣僚会議に臨む安倍晋三首相(右)=27日午後、首相官邸

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