国家像、選挙手法で際立つ相違=米大統領選、70代対決へ―トランプVSバイデン 2020年08月25日

 【シャーロット(米南部ノースカロライナ州)時事】トランプ米大統領(74)が共和党候補に正式指名され、11月の大統領選でバイデン前副大統領(77)と事実上の一騎打ちとなることが決まった。目指している国家像や選挙手法が大きく異なる70代の2人の激突が本格化する。
 24日の共和党大会初日の演説で、トランプ氏は「団結をもたらす最高の方法は成功だ。成功が人々を結び付ける」と語り、国の経済的な成功が最優先だと主張。新型コロナウイルスが米国に流入するまでは、人種を問わず「全ての人がうまくいき、団結に向かっていた」と訴えた。
 「米国の団結」はバイデン氏が掲げるスローガンで、民主党はトランプ氏自体が分断を深めていると批判する。
 2人は選挙運動でも対照的だ。バイデン氏が遊説などを行わない「在宅」の選挙でも勝つと自信を示しているのに対し、トランプ氏は専用機で激戦州を飛び回る。24日はノースカロライナ州シャーロットの党大会に出席して1時間弱演説した後、州内の農業イベントに参加した。
 党大会の運営では、自己を最大限重視するトランプ氏のスタイルが目立つ。バイデン氏は最終日以外は露出を控えたが、トランプ氏は4日間の党大会に毎日出演する見通し。大会のゲストも、歴代3大統領が出演した民主党と異なり、トランプ一家が毎晩登場する「個人商店」色が濃い顔触れとなった。
 米大統領選史上で70代の対決は例がないが、トランプ氏は史上最高齢の70歳で大統領に就任した自身の健康状態をアピール。バイデン氏について「彼は自分が何をしているのかさえ分かっていない」と語り、「精神面で不適格」と印象付けようとしている。バイデン氏は自身の年齢を考えれば疑問を持たれても不思議でないとしつつ「私をよく見るがいい」と反論している。 

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