5大銀、純利益が半減=コロナで与信費用増大―4~6月期 2020年08月04日

 三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行5グループの2020年4~6月期連結決算が4日、出そろった。純利益の合計は前年同期比47.8%減の4420億円と、リーマン・ショック後の09年4~6月期(当時6グループ)以来、11年ぶりの低水準。新型コロナウイルス感染拡大による融資先の経営環境悪化で、貸し倒れなどに備えた与信関係費用が膨らんだことが響いた。
 純利益は全5グループで減少した。与信関係費用(傘下銀行の単体合算)は、融資先の業績改善による引当金の取り崩しで581億円の戻り益を計上した前年同期から状況が一変。1659億円を費用として計上した。
 各グループは、「計画を変更するほどの(与信関係)費用は発生していない」(三菱UFJ)として、21年3月期の業績見通しは据え置いた。ただ、感染拡大が長期化すれば経営を大きく圧迫する恐れがある。
 本業のもうけを示す実質業務純益は、りそなホールディングスを除く4グループが増益を確保。企業の資金繰り支援などで貸し出しが増え、融資による収益が拡大した。一方、コロナによる対面営業の制限が響き、投資信託や保険販売などの手数料収入は減少した。 

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