円、4カ月ぶり高値=米中対立、警戒高まる 2020年07月28日

 東京外国為替市場で円の対ドル相場は、連休明けの27日以降1ドル=105円台と、3月中旬以来約4カ月ぶりの円高・ドル安水準が続いている。新型コロナウイルス収束の見通しが立たない中、米中対立が先鋭化。世界経済の先行き不透明感が増したことで、安全資産とされる円が一時的な逃避先として買われている。28日午後5時現在は105円62~62銭。
 貿易摩擦で冷え込んだ米中関係は、香港問題を機に一段と悪化。24日以降は、互いに相手国内にある総領事館の閉鎖を通知するなど深刻度を増しており、市場では「米中対立が円買い材料となった」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト)との声が強い。
 また、「ドル安圧力が高まっている」(野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジスト)ことも円相場に影響を及ぼしている。欧州連合(EU)が今月下旬、新型コロナ対応の経済再建策で合意したことでユーロが買われ、ドルが売られた。円もつられて対ドルで買われたといい、主要国・地域の経済政策は注目されている。 

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