米失業率、11.1%に改善=悪化歯止めも高水準―6月 2020年07月02日

 【ワシントン時事】米労働省が2日発表した6月の雇用統計(季節調整済み)は失業率が11.1%となり、経済活動の再開に伴い、戦後最悪だった4月から2カ月連続で改善した。市場予想より良い数字で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた雇用の深刻な悪化に歯止めがかかった。ただ、リーマン・ショック後(10.0%)を依然上回る水準で、雇用の回復ペースは不透明だ。
 失業率は前月から2.2ポイント低下。失業者全体のうちレイオフ(一時解雇)扱いだった人は約7割から6割に減り、労働者の職場復帰が進んだことを裏付けた。トランプ米大統領は「景気が非常に力強く回復している証拠だ」と強調した。
 景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月から480万人増加。統計でさかのぼれる1939年以降で最大の伸びを更新した。活動再開でレストランが148万人、ホテルは23万8000人それぞれ増え、全体を押し上げた。
 しかし、フロリダやテキサスといった南部・西部州では最近になって感染者が急増し、バーなどが再び営業停止に追い込まれた。失業給付を受け続けている人は6月20日までの1週間で1929万人と前週から約6万人の増加に転じた。感染「第2波」が広がれば企業破綻が増え、一時解雇から恒久解雇になる労働者が膨らむ恐れがある。 

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