財政赤字額を明示=国債発行膨張に危機感―財務省 2020年07月02日

 財務省は2日、毎年末に編成する翌年度予算案の説明資料に基礎的財政収支(PB)赤字額を明記する方針を示した。PB赤字は政策経費を税収で賄い切れず、借金である国債発行で穴埋めする額。新型コロナウイルスの感染拡大に対応した2020年度の大規模補正予算で国債発行額が膨張して危機的な状況にある財政の姿を国民に説明し、中長期的な健全化につなげたい考えだ。
 2日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、財務省が案を提示した。
 現在は国債発行額の内訳を建設国債、赤字国債と、国債の種類で分類している。今後は国債発行という新たな借金の使い道として、過去の借金の元本返済に当たる国債償還費と利払い費、PB赤字に区分する。
 政府は国・地方のPBを25年度に黒字化する財政健全化目標を掲げている。しかし、国の20年度一般会計PB赤字額は当初段階の9.2兆円から2次補正後に66.1兆円へ急拡大。目標達成は極めて厳しい状況だ。 

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財政制度等審議会の榊原定征会長(右)と分科会の増田寛也会長代理=2日、財務省
財政制度等審議会の榊原定征会長(右)と分科会の増田寛也会長代理=2日、財務省

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