新NAFTA、車貿易を厳格化=初の改定、日本にも影響 2020年07月01日

 【ワシントン時事】北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」が1日、発効した。米製造業復活を掲げるトランプ米大統領が改定交渉を主導し、自動車貿易の条件を厳格化した。ただ、新型コロナウイルス危機に見舞われる中、米国の生産や雇用の拡大につなげられるかは不透明だ。域内に進出している日本企業も対応を迫られる。
 1994年に発効したNAFTAの抜本改定は初めて。トランプ氏は、域内で関税を原則ゼロとしたNAFTAの発効後に貿易赤字が膨らみ、雇用が流出したと主張。「過去最悪の協定」と批判し、今秋の大統領選での再選に向けて協定見直しを優先課題としていた。
 新協定の特徴は、関税ゼロを認める条件を定めた「原産地規則」の厳格化だ。従来は部材の62.5%以上を域内で調達した完成車を免税としてきたが、発効から3年かけて75%まで段階的に引き上げる。賃金水準の高い米国での生産を促すため、免税条件に「賃金条項」を新設。時給16ドル(約1700円)以上の地域で生産した部材の比率が40~45%以上になるよう義務付ける。 

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