レナウン、解体の可能性も=スポンサー決定へ正念場 2020年06月18日

 経営破綻したアパレル大手レナウンのスポンサー企業探しが正念場を迎えている。同社は月末までに決定したい考えだが、会社全体の引き受けを前提とするスポンサーの選定作業は難航している。100年超の歴史を持つレナウンは、ブランドごとの売却により、解体を迫られる可能性もある。
 レナウンは5月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う売り上げ減少から自主再建を断念し、民事再生手続きを開始。負債総額は約138億円で、コロナ禍で破綻した初の上場企業となった。株式は今月16日付で上場廃止、最終価格は1株4円だった。
 現在は裁判所が選んだ管財人のもとで、再建に向けたスポンサー企業を選定中。関係者によると、複数の事業会社やファンドが名乗りを上げており、今週末に入札を締め切る予定だ。
 支援する側との交渉をスムーズに進めるため、レナウンは18日、三井住友銀行から20億円の融資枠の設定を受けたと発表した。手元の運転資金は確保できたとみられる。
 ただ、中核となる百貨店での販売は先行きが見通せず、破綻に伴うブランド価値の毀損(きそん)も大きい。レナウン関係者は「再建計画をまとめて新しいスタートを切りたい」と意気込むが、スポンサー企業が会社を一体的に引き受ける計画を示すかは不透明だ。
 一方で希望退職で300人規模の人員削減も進めているが、募集締め切りまでに集まらず、18日まで延期した。25日付の退職は変更しない。グループ会社では5日、紳士服製造子会社「ダーバン宮崎ソーイング」(宮崎県日南市)が破綻した。従業員136人は7月5日付で解雇される予定だ。 

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