東京株、1000円超高=米経済対策期待で大幅反発 2020年06月16日

 16日の東京株式市場では、米国の大規模な経済対策に対する期待感を背景に、幅広い銘柄で買い戻しの動きが広がった。日経平均株価の終値は前日比1051円26銭高の2万2582円21銭となり、4営業日ぶりに大幅に反発した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が収束する見通しは立っておらず、株価乱高下への警戒感が根強い。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が15日、企業の資金繰りを支援する政策を打ち出し、同日の米国株が上昇したことを受け、16日の東京市場は朝から全面高となった。その後「トランプ米大統領が景気てこ入れのため1兆ドル規模の社会基盤整備の計画を準備している」と一部で報じられると、買いの勢いが一段と増した。 
 日経平均は前日までの3営業日で1600円近く下落した。5月中旬以降に株価が急ピッチで回復したことによる過熱感が和らいだ局面で、米経済対策など格好の買い材料が出たことも、株価反発に弾みをつけたようだ。
 もっとも、経済活動が再開した米欧などの一部地域では、新型コロナ感染が再拡大する兆しが見られる。市場関係者からは「経済対策を強化しても、コロナ感染が収まるわけではない」(国内証券)との声が上がっており、世界経済や金融市場の先行きに対する懸念はくすぶっている。
 東京外国為替市場の円相場は、1ドル=107円台で推移した。株高を受けてやや円安になったが、朝鮮半島情勢への懸念などから安全資産とされる円が買い戻された。午後5時現在は107円32~32銭と前日比03銭の円高・ドル安。

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終値が前日比1051円26銭高の2万2582円21銭だった日経平均株価を示す電光ボード=16日午後、東京都中央区
終値が前日比1051円26銭高の2万2582円21銭だった日経平均株価を示す電光ボード=16日午後、東京都中央区

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