新型コロナ倒産、61件=5月も高止まり―商工リサーチ 2020年06月08日

 東京商工リサーチが8日発表した5月の全国企業倒産状況によると、負債額1000万円以上の倒産件数のうち、新型コロナウイルス関連が61件に上ることが分かった。破綻件数も手続き準備中の企業を含め83件(前月84件)と高止まりしている。商工リサーチは「今後は大手の生産調整などにより、中堅企業にも影響が広がる可能性がある」と指摘している。 
 新型コロナ関連の破綻は、2月から6月8日午前11時までに、42都道府県で計221件が判明した。業種別では宿泊(35件)と飲食(34件)が突出している。
 一方、5月の全体の倒産件数は314件となり、前年同月比54.8%減、前月(4月)と比べても57.7%減少した。1964年6月(295件)に次ぐ56年ぶりの低水準となったが、新型コロナ感染拡大に伴い破産など法的手続きを担う裁判所や弁護士らが業務を縮小したのが原因とみられる。
 負債総額も前年同月比24.3%減の813億3600万円と3カ月ぶりにマイナスとなったが、実態は資金繰りに苦しむ企業が増加しているもようだ。
 同社は「水面下で資金繰りが厳しい企業が増えており、夏ごろから高水準に戻る可能性がある」とみている。

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