4月経常黒字、84.2%減=コロナで貿易・旅行縮小 2020年06月08日

 財務省が8日発表した4月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比84.2%減の2627億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大により米国向けの貿易が大きく縮小したほか、訪日外国人客数の激減で旅行収支の黒字も91.8%減ったのが要因。 
 貿易収支は9665億円の赤字。輸入が9.5%減の5兆8756億円だったのに対し、輸出は23.0%減の4兆9090億円と大幅に落ち込んだ。内訳を見ると、輸出では米国向けの自動車や自動車部品などが大幅に減少。一方、輸入では新型コロナの影響で需要が低迷したため、原粗油などが大きく減った。
 輸送や旅行などの取引による収支を示すサービス収支も、6302億円の赤字。4月の訪日外国人客数が前年より99.9%少ない2900人にとどまり、旅行収支の黒字幅が急減したのが響いた。
 財務省は「貿易・旅行収支とも当面厳しい状況が続くのではないか」とみている。

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