米FRB、景気停滞の回避策議論=ゼロ金利維持へ 2020年06月07日

 【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は9、10両日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した景気を支える事実上のゼロ金利、量的金融緩和を維持する方向だ。また、景気停滞の回避策を議論するほか、政策運営の手掛かりとなる金利と経済見通しも発表する。
 FRBは「景気の回復軌道を見極めるには時間がかかる」(クラリダ副議長)とみている。政策金利を年0~0.25%に長期間保ち、米国債などを無制限に買い入れて金融緩和と市場への資金供給を続けると明言している。
 パウエル議長は、本格回復が「来年末までかかる可能性がある」と言及。5月の失業率は戦後最悪となった4月から改善したものの、景気の長期停滞リスクを警戒し、企業向けの緊急融資を含め、追加策を講じる考えだ。
 FRBは4月の会合で、失業率が一定水準を下回るまでゼロ金利を維持するなど、政策に数値目標を採用したり、短中期の国債利回りに上限を設けたりする可能性を議論。金融緩和効果を高める追加策として検討する。マイナス金利に関しては「効果が不透明」(パウエル議長)と明確に否定している。
 金利と経済見通しの改定は3月に見送られたため半年ぶりとなる。今年の成長率はマイナスに落ち込む一方で、来年以降の回復予想が示されそうだ。金利予想は、ゼロ金利解除時期の手掛かりになる。 

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