米失業13.3%に改善=経済対策で最悪脱したか―5月 2020年06月06日

 【ワシントン時事】米労働省が5日発表した5月の雇用統計(季節調整済み)によると、失業率は13.3%と、戦後最悪だった前月(14.7%)から改善した。非農業部門の就業者数は前月から250万9000人増とプラスに転じた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の経済対策が悪化に歯止めをかけたもようだ。経済活動の一部再開で、最悪期を脱した可能性がある。
 就業者数は過去最大の減少幅となった前月(2068万7000人)から大きく改善した。ただ、外出規制が始まった3月以降の失業者は累計で約2000万人に達しており、失業問題は11月の選挙で再選を目指すトランプ大統領にとって強い逆風になる。
 雇用全体の7割を占めるサービス業は242万5000人の増加と3カ月ぶりのプラス。コロナ対策で休業を強いられていたレストランやホテルは122万2000人増。製造業も22万5000人増だった。
 市場では一段の雇用悪化が予想されていた。しかし、政府が従業員の給与を肩代わりする支援制度が貢献したとみられるほか、経済活動も部分的に再開したことで「最悪状態は脱したもようだ」(エコノミスト)との分析もある。失業者の職場復帰が進めば、米経済の柱である個人消費の回復につながる可能性がある。
 トランプ氏はホワイトハウスで記者会見し、感染拡大がほぼ終息したと強調。「来年は経験したことのない好景気になる」と、雇用改善に自信を示した。
 ただ、雇用の受け皿となる企業は疲弊している。百貨店大手JCペニー、衣料品大手Jクルー・グループが相次いで経営破綻し、航空機大手ボーイングも大規模な人員削減に踏み切る。議会予算局(CBO)は、失業率が10%を下回るのは2021年と厳しい予測を示している。 
 失業率の高止まりは社会不安を招き、白人警官による黒人男性暴行死をきっかけとした全米規模の抗議デモをエスカレートさせるとの懸念も根強い。

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