景気動向指数、過去最大の下げ幅=コロナ禍で「一致」「先行」とも―4月 2020年06月05日

 内閣府が5日発表した4月の景気動向指数(2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比7.3ポイント低下の81.5と大幅に悪化した。下落幅は比較可能な1985年1月以降、過去最大。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や緊急事態宣言の発令により、経済活動が抑制されたことが響いた。基調判断は9カ月連続で「悪化」とした。
 一方、数カ月先の動向を示す先行指数は8.9ポイント低下の76.2となり、こちらは2カ月連続で過去最大の下落幅を更新した。
 記者会見した西村康稔経済財政担当相は景気の現状について、「(新型コロナ感染防止へ)人為的に経済を止めたため消費が落ち込んだ」と説明。その上で「支援策を講じながら経済活動も広げていく段階にある」と強調した。 
 一致指数は、構成する生産や出荷など七つの指標が悪化。中でも、部品調達が難航し工場が操業停止に追い込まれた自動車の出荷・生産の落ち込みが影響した。
 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は「新型コロナの影響が本格化した」と指摘。一方で、緊急事態宣言の解除が進んだことから「5月以降は景気が谷底を越えたか確認していくことになる」との認識を示した。

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