「急速な悪化」、2カ月連続=緊急事態宣言の延長響く―5月の月例報告 2020年05月28日

 内閣府は28日、5月の月例経済報告を発表した。景気全体の判断について「新型コロナウイルス感染症の影響により、急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にある」と指摘。前月に約11年ぶりに「悪化」の文言を用いたが、引き続き厳しい景気認識を示した。4日に決まった緊急事態宣言の延長による経済活動抑制の長期化が響いた。
 個別項目を見ると、輸出は、経済活動を再開した中国向けが好調だったが、欧米向けが低迷し、「急速に減少している」に下方修正。雇用情勢も、有効求人倍率が低下したり休業者数が増加したりしていることを踏まえ、「弱さが増している」に引き下げた。
 設備投資は、ソフトウエア投資の勢いが失われたことなどから、「このところ弱含んでいる」に下方修正した。
 一方、輸入は中国からのパソコンや家電の増加を反映し、「このところ下げ止まりつつある」に上方修正。個人消費は「感染症の影響により、急速な減少が続いている」とした。 
 先行きについては「当面、極めて厳しい状況が続く」と指摘。25日の緊急事態宣言の全面解除を受け、経済活動のレベルは段階的に引き上げられていく見通しで、内閣府は「4、5月を底に内需が上向いてくる可能性がある」と見ている。

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月例経済報告等に関する関係閣僚会議に臨む安倍晋三首相(左手前から2人目)ら=28日午後、首相官邸
月例経済報告等に関する関係閣僚会議に臨む安倍晋三首相(左手前から2人目)ら=28日午後、首相官邸

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