75兆円規模で資金繰り支援=政府と協調し新制度―日銀が臨時会合 2020年05月22日

 日銀は22日、臨時の金融政策決定会合を開き、中小企業や個人事業主の資金繰りを支援する30兆円規模の新たな資金供給策の導入を決めた。6月中に開始する。大企業を対象としたコマーシャルペーパー(CP)や社債の買い入れ増額などを含め、日銀の資金繰り支援策の総枠は75兆円規模に拡大する。
 日銀の臨時会合は2011年11月以来、8年半ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で経営環境が厳しさを増しており、日銀は政府と協調して企業の事業継続を後押しする姿勢を鮮明にした。
 新たな資金供給策は、政府の緊急経済対策に基づく実質無利子・無担保融資を行う金融機関などが対象。日銀が金利0%で資金を貸し出し、その利用実績に応じて金融機関が保有する日銀当座預金に0.1%の金利を付与する。これにより、金融機関に制度の利用を促し、中小企業への資金の流れを増やす。来年3月末まで実施する。
 CPや社債の買い入れ枠拡大など、従来の資金繰り支援策の期限も当初予定の今年9月末から半年延長する。 
 一方、金融政策については長短金利操作を柱とする大規模緩和策を維持した。日銀は声明で「感染症の影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」と表明した。

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