19年度粗鋼生産、10年ぶり低水準=米中摩擦・コロナで1億トン割れ 2020年05月19日

 日本鉄鋼連盟が19日発表した2019年度の粗鋼生産量は、前年度比4.3%減の9842万トンだった。3年連続のマイナスで、リーマン・ショック直後の09年度(9644万トン)以来、10年ぶりに1億トンを割り込んだ。米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大による経済低迷で、自動車向けなどの鋼材需要が落ち込んだ。
 新型コロナが影響した今年3月の粗鋼生産量は、前年同月比12.5%減の795万トン。3カ月ぶりのマイナスで、減少率は09年10月(12.8%)以来の大きさだった。 
 鉄鋼大手は4月以降、自動車メーカーなどの生産調整に合わせ、高炉の一時停止に動いている。鉄連は、今後の粗鋼生産量について「厳しくなりそうだ」(業務部)とみている。
 鉄連は当初、先月22日に発表する予定だったが、政府の緊急事態宣言への対応でメーカーの協力体制が整わず延期していた。

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