4月の企業倒産15%増=新型コロナ、中小・零細直撃 2020年05月13日

 東京商工リサーチが13日発表した4月の全国企業倒産状況によると、負債額1000万円以上の倒産件数は前年同月比15.1%増の743件で、8カ月連続で増加した。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で飲食や宿泊業の破綻が相次いだ。特に資本金1000万円未満が全体の66%を占め、中小・零細企業への影響が一段と目立つ。
 新型コロナを要因とする倒産は71件で、2月(1件)、3月(12件)から急増。2月から5月13日までの累計では、法的整理を準備中の企業も含めると38都道府県で141件に上り、企業業績の悪化は深刻さを増している。同社は「倒産は夏場以降高水準をたどる可能性が高い」とみている。
 負債総額は35.6%増の1449億9000万円で、2カ月連続の増加。負債100億円以上の大型破綻は1件にとどまったが、1億円未満の小規模倒産が全体の7割超の542件に上った。
 産業別では、飲食や宿泊業を含むサービス業が253件と最多を占めた。倒産原因は「販売不振」と答えた企業が554件で最も多かった。 
 政府は、資金繰りに苦しむ企業向けにさまざまな支援策をそろえたが、手続きの煩雑さや事務処理の遅れがネックとなっている。同社は「新たな借り入れより、事業継続を諦めて廃業する経営者が増える恐れがある」と警戒する。

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