３月経常黒字、３２．１％減＝貿易、旅行が大幅落ち込み―新型コロナ影響 2020年05月13日
財務省が１３日発表した３月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は、前年同月比３２．１％減の１兆９７１０億円の黒字だった。新型コロナウイルスの影響で中国や米国向けの輸出が減少。訪日外国人客の激減を受け、旅行収支の黒字も８６．５％減の２４５億円となった。
貿易収支の黒字は８５．２％減の１０３１億円。輸出入ともに減り、輸出は１２．２％減の６兆１９７４億円、輸入は４．２％減の６兆９４３億円だった。輸出では米国向けの自動車やシンガポール向けの船舶などが落ち込み、輸入では石炭や液化天然ガスの減少が目立った。
輸送や旅行などの取引による収支を示すサービス収支の黒字は、７７．５％減の７２０億円。旅行収支の黒字幅縮小の影響が大きかった。
同時に発表された２０１９年度の経常収支は、前年度比１．４％増の１９兆７６１５億円の黒字。サービス収支の赤字幅減少などが寄与した。
◇３月の国際収支
経常収支 １９，７１０（▲３２．１）
貿易・サービス収支 １，７５１（▲８２．８）
貿易収支 １，０３１（▲８５．２）
輸出 ６１，９７４（▲１２．２）
輸入 ６０，９４３（▲４．２）
サービス収支 ７２０（▲７７．５）
第１次所得収支 ２０，６０９（▲４．０）
第２次所得収支 ▲２，６４９（―）
（注）単位億円。カッコ内は前年同月比増減率％。▲は赤字または減。―は比較できず
◇１９年度の国際収支
２０１８年度 １９年度
経常収支 １９４，８４８ １９７，６１５
貿易・サービス収支 ▲３，００１ ２，３３６
貿易収支 ６，３４１ ６，４７８
輸出 ８０３，１８３ ７４９，１２３
輸入 ７９６，８４２ ７４２，６４５
サービス収支 ▲９，３４２ ▲４，１４２
第１次所得収支 ２１５，２６２ ２０９，９６８
第２次所得収支 ▲１７，４１４ ▲１４，６８９
（注）単位億円。▲は赤字