3月の消費支出、6.0%減=コロナで5年ぶり落ち込み幅 2020年05月08日

 総務省が8日発表した3月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は29万2214円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比6.0%減少した。新型コロナウイルスの感染拡大で外出が控えられたことが影響し、下落幅は2015年3月(10.6%減)以来、5年ぶりの大きさとなった。
 マイナスは6カ月連続となった。中でも、教養娯楽関係の支出が落ち込み、遊園地の入場料や乗り物代が86.8%減、パック旅行費は83.2%減となった。航空運賃は8割超、鉄道運賃は65.2%それぞれ縮小した。
 一方、マスクを含む保健用消耗品は17.8%増加した。自宅で過ごす時間が増えたことで「巣ごもり需要」が膨らみ、ゲーム機が約2.7倍となったほか、パスタや即席麺も大幅に伸びた。 
 緊急事態宣言の発令で外出自粛が強く呼び掛けられたことで、4月はさらに減少幅が拡大する可能性もある。総務省は「外出自粛で減少する一方、一部品目で巣ごもり需要による増加もみられる。今後の動向に注意が必要だ」(統計調査部)と指摘した。

特集、解説記事