根強い株安懸念=コロナで動揺続く―連休明けの株式相場 2020年05月02日

 大型連休後の東京株式市場は波乱含みの展開になりそうだ。新型コロナウイルス感染拡大への不安は根強く、市場の動揺は収まりそうにない。国内で感染者が急増するなど事態が深刻化すれば株安懸念が強まる。
 5連休を前にした1日の日経平均株価の終値は前日比574円安の1万9619円。新型コロナをめぐる先行き不透明感から2万円の大台を維持できなかった。
 JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾氏は、当面上値は重いと予想。「新型コロナの第2波が来て実体経済がさらに悪化すれば、金融市場に危機的状況が訪れるかもしれない」と警戒する。
 みずほ証券の三浦豊氏は「欧米の経済活動の一部再開や治療薬開発などの好材料を織り込んだ。今後は期待から現実を見る動きになる」と指摘。実体経済の推移が期待外れとなれば、日経平均が1万5000円まで下押す場面もあり得るとしている。
 一方、景気悪化や信用不安に対し、各国の政府・中央銀行は財政出動、金融緩和で抑え込もうと躍起だ。
 野村証券の伊藤高志氏は、感染拡大が頭打ちとなれば半導体関連やIT、建設が株価回復を主導するとみる。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の新井洋子氏は「7~9月に経済活動が正常化すれば、年末に2万2000円を目指すだろう」との見方を示す。 

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