3月鉱工業生産、7年ぶり低水準=新型コロナ響く、基調判断を下方修正 2020年04月30日

 経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産指数速報値(2015年=100、季節調整済み)は前月比3.7%低下の95.8となった。2カ月連続で低下し、13年1月の94.8以来7年2カ月ぶりの低水準。新型コロナウイルス感染拡大に伴う工場停止で部品調達が滞った影響が大きかった。生産の基調判断を「一進一退ながら弱含んでいる」から「低下している」へ下方修正した。
 下げ幅は4.0%低下した昨年10月以来5カ月ぶりの大きさ。業種別では全15業種のうち13業種が前月を下回った。自動車工業は5.1%減で、半導体製造装置など生産用機械工業は10.2%減。航空用ジェット燃料油などの石油・石炭製品工業も1.3%減った。一方、トイレットペーパーや紙おむつなどパルプ・紙・紙加工品工業は1.0%のプラスだった。
 出荷は5.0%低下し、輸送機械工業(自動車工業を除く)以外の14業種で前月を下回った。在庫は1.9%の上昇だった。
 生産予測は4月が1.4%上昇、5月は1.4%低下を見込む。ただ、4月上旬までの調査のため、緊急事態宣言後の全国的な外出自粛など直近の動きは反映されていない。経産省は「企業からは先が読めないとの声が多い。予測より下振れする可能性がある」とみている。 

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