物価目標2%、任期中達成できず=22年度も最大1%―黒田総裁 2020年04月27日

 日銀は27日、2022年度の消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)が0.4~1.0%になるとの見通しを公表した。23年4月に任期を迎える黒田東彦総裁にとって事実上の最終年度も、目標の2%に届かない格好となった。
 20年度の物価上昇率はマイナスに落ち込む見通しだ。黒田総裁は、新型コロナウイルスの影響などで「物価上昇の勢いがいったん損なわれた状態にある」と指摘。一方で、「デフレが再燃するとは思っていない」と強調した。2%の物価目標については「(22年度までの)見通し期間を越えて相応の時間がかかる」と述べ、達成が一段と遠のいたことを認めた。
 黒田氏は13年4月、総裁就任直後に「異次元の金融緩和」を打ち出し、「2年程度で物価安定目標を達成できる」と自信を示した。09年度からほぼマイナス圏にあった消費者物価は13年度にプラスに浮上。しかし、消費税増税で2.8%上昇した14年度を除いて各年度の伸び率は1%未満にとどまり、目標達成時期はたびたび先延ばしされてきた。 

特集、解説記事