中国、初のマイナス成長=6.8%減、新型コロナ打撃―1~3月期 2020年04月17日

 【北京時事】中国国家統計局が17日発表した今年1~3月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比6.8%減少した。マイナス成長は四半期ごとの数値公表を始めた1992年以降で初めて。プラスだった前期(6.0%増)から一転大幅縮小となり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済への打撃の大きさが浮き彫りになった。
 政府は1月下旬、最初に感染が広がった湖北省武漢市を「都市封鎖」するなど、全土でウイルスの封じ込めに向けた厳しい移動制限を実施。物流も停滞し、経済活動はほぼ停止状態に陥った。
 3月には新規感染者数が頭打ちとなる一方、企業活動は2月中旬から徐々に再開されており、最悪期は脱したとの見方が強まっている。ただ、極度の消費不振に加え、世界的な感染拡大による外需の落ち込みも重しとなり、景気の先行きは予断を許さない。
 国家統計局の毛盛勇報道官は記者会見で「企業活動の再開や経済・社会の発展は新たな困難と挑戦に直面している」と指摘した。 
 同時に公表された主要経済指標は3月に入って若干持ち直したが、伸び率は引き続きマイナスだった。1~3月期の小売売上高は店舗の閉鎖や消費者の外出自粛、購買意欲の低下が響き、前年同期比19.0%減と落ち込んだ。3月単月でも15.8%減だった。
 1~3月期の鉱工業生産は8.4%減。休業の長期化や操業再開の遅れ、サプライチェーン(部品供給網)の混乱などが影響した。3月単月では1.1%減だった。幅広い投資動向を反映する1~3月の都市部固定資産投資は16.1%減少した。

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