2月経常黒字、21.2%増=新型コロナ影響、旅行収支は大幅悪化 2020年04月08日

 財務省が8日発表した2月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は前年同月比21.2%増の3兆1688億円の黒字となった。新型コロナウイルスの感染拡大で中国からの輸入が減少したのが要因。旅行収支の黒字幅は中国からの観光客減で大幅に縮小した。
 経常黒字は68カ月連続。貿易収支は1兆3666億円の黒字で、黒字額は前年同月と比べ約2・8倍に増えた。中国の工場停止などの影響で衣類や携帯電話の輸入が大幅に減り、輸入額は14.6%減の4兆9656億円となった。一方、輸出は0.4%増とほぼ横ばいの6兆3322億円だった。 
 旅行や輸送などの取引の収支を示すサービス収支は1366億円の赤字(前年同月は1561億円の黒字)。旅行収支は中国を中心に外国からの観光客数が落ち込み、黒字幅が579億円と前年同月から7割程度減少し、2015年9月(560億円の黒字)以来の低水準となった。

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