新型コロナ、厳格な外出制限を=接触8割減で急速に減少―北大教授が試算 2020年04月03日

 新型コロナウイルスの感染拡大について、早急に厳格な外出制限をしなければ、爆発的な患者増加「オーバーシュート」を防げないとの試算を北海道大の西浦博教授がまとめたことが3日、分かった。
 西浦教授は数理モデルと呼ばれる手法を用いて感染状況を推計する理論疫学の専門家。政府専門家会議に参加し、東京都や大阪府、兵庫県の感染者の試算も担っている。
 西浦教授によると、東京都では患者が急増しており、感染が爆発的に増加する段階に入った可能性がある。その場合、感染者は1日当たり数千人に達する時期を経て、さらに増加するという。
 教授の試算では、外出を欧米に近い形で厳しく制限し、人と人の接触を8割減らす対策を取れば、10日~2週間後に感染者が1日数千人のピークに達しても、その後に対策の効果が表れ、急速な減少に転じる。
 3月上旬の都内の鉄道の利用者は2割減少していたが、試算では接触が2割減っただけでは大流行を数日遅らせる程度の効果しかない。小池百合子都知事による週末の外出自粛要請後の利用者は7割減ったものの、7割減が続いたとしても不十分な恐れがあるという。
 西浦教授は早期の対策の必要性を訴えた上で、医療機関やインフラ事業者、企業に対し「緊急事態宣言に備え、事業をどう継続させるか早急に検討してほしい」と訴え、市民には「自宅中心に生活できるよう準備を」と呼び掛けた。 

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