19年度末株価、10.8%下落=新型コロナで終盤失速 2020年03月31日

 2019年度最後の取引となった31日の東京株式市場では、日経平均株価の終値が1万8917円01銭と18年度末に比べ10.8%下落した。前年度割れは2年連続。新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の先行き懸念から終盤に急落した。
 19年度前半、日経平均は2万~2万2000円台前半で推移した。その後、米中貿易協議が前進し、「第1段階」で大筋合意の観測が伝わると、12月半ばには約1年2カ月ぶりに2万4000円台を回復。20年1月20日に19年度最高値の2万4083円を付けた。
 しかし、2月以降は状況が一変する。中国発の新型コロナの感染が全世界に拡大し、景気後退懸念が広がった。世界連鎖株安の様相を呈し、日経平均の1日の下げ幅が1000円を超える日もあった。3月19日には1万6552円まで水準を切り下げ、16年11月以来約3年4カ月ぶりの安値に落ち込んだ。
 新型コロナ拡大の勢いは続いており、市場では企業業績の悪化懸念や景気後退観測が強まる。事態収束ができるかどうかが20年度の株価を左右しそうだ。市場関係者は「ワクチンや治療薬の開発には時間がかかる。株式市場は当面荒い値動きが続く」(大手証券)と予想する。 

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