国内自動車大手の中国生産、過去最悪=2月、新型コロナで停止 2020年03月30日

 自動車大手8社が30日発表した2月の生産実績によると、中国に工場を持つ5社それぞれの現地生産台数は前年同月比77~97%減で、過去最悪の落ち込み幅となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1月下旬に始まった春節(旧正月)休暇が終了した後も一定期間、工場の稼働を停止していたためだ。
 各社別の中国の生産台数は、三菱自動車が97.0%減の240台、ホンダが92.4%減の5700台、マツダが90.6%減の920台。日産自動車は87.9%減の7740台、トヨタ自動車も77.4%減の1万5311台といずれも大幅に減少した。 
 ウイルスの震源地とされる湖北省にはホンダと日産が生産拠点を置いており、ともに全面的な操業中止状態が続いた。同省以外の拠点では5社が生産を再開したが、部品調達に支障を来していたことなどからフル稼働にはほど遠かった。
 中国から一部の部品を調達していた自動車大手は、サプライチェーン(部品供給網)の寸断から、日本国内でも操業を一時見合わせる事態に陥った。国内生産台数は日産が29.3%減となるなど6社が前年割れ。8社合計で10.8%減の73万3577台となり、5カ月連続で前年実績を下回った。8社合計の世界全体の生産台数は18.6%減の114万1214台。
 新型ウイルスの感染は世界的に拡大し、3月に入ると、欧米やインドなどでも操業を見合わせる動きが広がった。日本の自動車大手の3月の生産台数について、メーカー関係者は「想像するだけで怖い」と漏らしており、厳しい結果が予想される。

特集、解説記事