東京株、1454円高=上げ幅過去5番目―コロナ対策に期待 2020年03月25日

 25日の東京株式市場は、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた大規模な財政出動をはじめ、日米欧が協調する積極的な経済対策への期待感を背景に買いが広がった。日経平均株価の終値は前日比1454円28銭高の1万9546円63銭となり、上昇幅は1990年3月26日(1468円33銭)に次ぐ過去5番目を記録。中止を免れた東京五輪延期の正式決定も地合いを底上げした。
 米国でコロナ感染拡大の影響を和らげる大型経済対策が近くまとまるとの観測が広がり、24日の欧米市場では主要株価が軒並み急伸した。これを受けて東京市場は朝から全面高の展開。午後に「米国の議会上院とトランプ政権が経済対策について合意した」と伝わると買いが強まり、日経平均は上げ幅を広げた。 
 世界の主要中央銀行による積極的な金融緩和により、動揺が続いていた金融市場での資金繰り不安もいったん後退。「当座の現金を確保するための株売りは落ち着いたようだ」(大手証券)との見方が出ていた。ただ、「コロナ感染者は増え続け、欧米を中心に外出禁止措置が拡大している。厳しい経済状況は変わっていない」(銀行系証券)と慎重な声も聞かれた。
 東京外国為替市場の円相場は、1ドル=111円台半ばに下落した。コロナリスクに各国が足並みをそろえる経済対策への期待から安全資産とされる円が売られた。午後5時現在は111円46~46銭と前日比93銭の円安・ドル高。

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過去5番目の上げ幅を記録した日経平均株価の終値を示す電光ボード=25日午後、東京都中央区
過去5番目の上げ幅を記録した日経平均株価の終値を示す電光ボード=25日午後、東京都中央区

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