米ツイッター、視界不良続く=マスク氏、後任探し難航 2022年12月30日 14時58分

米実業家イーロン・マスク氏(左)とツイッターのロゴ(AFP時事)
米実業家イーロン・マスク氏(左)とツイッターのロゴ(AFP時事)

 【シリコンバレー時事】米ツイッターの経営混乱が続いている。10月に同社を買収した実業家イーロン・マスク氏は、収益改善を狙い大規模なリストラを敢行。投稿管理の緩和も進めたものの、広告主の離反を招き、収入面で打撃に。12月には最高経営責任者(CEO)辞任を表明する事態に至ったが、後任探しに難航しているもようで、眼前に立ち込めた霧が晴れる様子はない。
 「2023年には現金収支が均衡するだろう」。マスク氏は20日、ツイッターの音声チャット機能「スペース」で語った。買収劇の混乱と景気後退懸念を背景に、同社の広告収入は急減。マスク氏による買収時の借り入れの一部が負債に回されたことで、年15億ドル(約2000億円)に上る利払い負担が発生。23年には30億ドルの資金不足に陥る恐れがあったという。マスク氏自ら同社の破産リスクを触れ回っていたが、解雇などで社員数を約7500人から2000人強に減らすなど大幅コスト削減に踏み切ったことで、目先の財務危機は回避できそうだ。
 一方、投稿内容のチェック体制を緩めたことで、誤情報や憎悪表現の氾濫への懸念が強まった。米連邦議会襲撃事件をあおったとして凍結されたトランプ前大統領のアカウントを、ツイッター上の投票結果を基に復活させたほか、差別発言などで凍結された一部アカウントも同様に復旧。イメージ悪化を恐れる企業の間で、ツイッターへの広告出稿を見合わせる動きが相次ぎ、経営への逆風が吹き続けている。
 問題アカウント復活の裏で、複数の報道記者のアカウントを一方的に凍結したことも、批判を浴びた。マスク氏の位置情報に関する投稿を「規約違反」としたが、詳細は不明瞭で、結局は程なく凍結を解除。同氏が掲げる「言論の自由至上主義者」という御旗は揺らいでいる。
 騒動はマスク氏が率いる電気自動車(EV)大手テスラの株価にまで波及。この1年で7割も下げ、株主の不興を買っている。マスク氏が自らの進退を問う投票結果に基づきツイッターCEOを辞任すると表明した背景には、こうした事情も影響しているようだ。
 マスク氏は既に後任探しに乗り出したが、有能な人材の確保は容易ではない。赤字が慢性化し苦境が続くツイッターの経営を引き継ぐ人物を「愚か者」とさえ形容している。 

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