内部告発で動揺=マスク氏裁判に影響も―米ツイッター 2022年08月29日 14時50分

米ツイッターの元セキュリティー責任者で同社を内部告発したピーター・ザトコ氏(ロイター時事)
米ツイッターの元セキュリティー責任者で同社を内部告発したピーター・ザトコ氏(ロイター時事)

 【シリコンバレー時事】簡易投稿サイトを手掛ける米ツイッターの元セキュリティー担当幹部による内部告発で、同社内に動揺が広がっている。安全対策を怠り個人情報や安全保障を脅かしているとの訴えを受け、米連邦議会も実態把握に乗り出した。同社の買収をめぐる米実業家イーロン・マスク氏との裁判にも影響が及ぶ可能性がある。
 告発したのは、1月に解雇されるまでツイッターでセキュリティー責任者を務めたピーター・ザトコ氏。政府や連邦議会に宛てた告発状では、同社が規制当局との合意通りに安全対策を強化しているように見せかけながら、ソフトウエアの脆弱(ぜいじゃく)性を放置したと非難。個人情報管理にも不備があり、海外からのスパイ活動の余地を与えたと訴えた。
 告発に対し、同社のアグラワル最高経営責任者(CEO)は「矛盾と不正確さにまみれた虚偽」などと反論。ザトコ氏の解雇理由も「期待を下回る実績のため」と説明した。
 ただ、ザトコ氏は、ソフトウエアの欠陥を指摘して改善させる「ホワイトハッカー」として知られた存在で、IT業界メディアでも「広く尊敬を集めており、主張の大半に説得力がある」と評されている。上院司法委員会は同氏を公聴会に招請し、今回の告発について聴取することを決めた。
 同社は、買収を一方的に撤回したマスク氏に対し、合意通りの買収履行を求めて係争中。マスク氏は、個人情報を盗み取るスパム(迷惑)アカウント数の実態などツイッターの情報開示を問題視した。
 ザトコ氏は告発で、同社の幹部が迷惑アカウントの削減よりも、利用者数の拡大を優先させたとも指摘。裁判は10月に審理が始まる予定だが、米メディアは虚偽の情報開示があれば裁判所が買収の撤回を認める可能性があると報じている。 

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