反捕鯨の容疑者、政治亡命を申請=拘束中、仏大統領に書簡 2024年10月17日 06時32分

ポール・ワトソン容疑者(AFP時事)
ポール・ワトソン容疑者(AFP時事)

 【パリ時事】デンマーク領グリーンランドで拘束され、日本が身柄引き渡しを求める反捕鯨団体シー・シェパード(SS)創設者ポール・ワトソン容疑者(73)が、フランスのマクロン大統領に書簡で政治亡命を申請した。SSのラミヤ・エセムラリ仏支部長が16日の記者会見で明らかにした。
 書簡を送ったのは数日前。会見に同席した一人は、ワトソン容疑者が亡命を希望するのは「現在の逆境からの逃避ではない」と主張した。
 フランスは反捕鯨国で、同容疑者は1年ほど前に移住。7月の拘束後間もなく、仏大統領府は「ワトソンが日本に引き渡されないよう、デンマーク当局に働き掛ける」と表明していた。
 同容疑者を巡っては、2010年に日本の調査捕鯨船に対する妨害を指示したとして、海上保安庁が傷害や威力業務妨害の疑いで逮捕状を取り、国際手配した。
 しかし、エセムラリ氏は「ワトソンは誰一人傷つけていない」と反論。日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告の弁護を担当したフランソワ・ジムレ弁護士もオンラインで会見に加わり、ワトソン容疑者が日本に引き渡されれば「決して公正な裁判を受けられない」と述べた。 

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16日、パリで記者会見する反捕鯨団体シー・シェパード(SS)のラミヤ・エセムラリ仏支部長(中央)ら(EPA時事)
16日、パリで記者会見する反捕鯨団体シー・シェパード(SS)のラミヤ・エセムラリ仏支部長(中央)ら(EPA時事)

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