ユダヤ教祝日も作戦続行=ガザ北部で範囲拡大か―イスラエル軍 2024年10月12日 19時36分
【カイロ時事】イスラエル軍は12日、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤ周辺で避難対象地域を拡大し、住民に退避するよう勧告した。昨年10月から戦闘を続けるイスラム組織ハマスが態勢の立て直しを図っているとして、イスラエル軍は6日からジャバリヤでの作戦を開始。ユダヤ教の重要な祝日を迎えたものの、作戦範囲を拡大したもようだ。
ユダヤ教では、11日の日没から12日の日没にかけては「贖罪(しょくざい)の日」(ヨム・キプール)に当たり、断食を行い祈りをささげて過ごす神聖な日とされる。しかし、イスラエル軍はジャバリヤを包囲し、戦闘を継続。国際医療団体「国境なき医師団(MSF)」は11日、数千人が身動きが取れなくなっているとX(旧ツイッター)で訴えた。
AFP通信は地元当局者の話として、ジャバリヤでは11日、イスラエル軍の攻撃で少なくとも30人が死亡したと伝えた。昨年から続くイスラエルとハマスの衝突で、ガザでは4万2000人以上が命を落としている。
一方、イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦を巡り、ブリンケン米国務長官は11日、レバノンのミカティ首相と電話会談した。国務省によると、ブリンケン氏は外交的解決に向けて米国が深く関与すると改めて強調した。