景気下支え「財政に余地」=追加刺激策は示さず―中国財政相 2024年10月12日 16時35分
【北京時事】中国の藍仏安財政相は12日、北京で記者会見し、「(政府には)財政赤字を拡大させる余地がある」と述べ、財政支援で景気を下支えする方針を示した。ただ、財政出動の規模には言及せず、期待されていた具体的な景気刺激策も示さなかった。
藍氏は、今年発行する1兆元(約21兆円)の超長期特別国債を公共投資や耐久消費財の買い替え支援策などに充てると説明。地方政府の債務問題の解決を急ぐほか、不動産バブル崩壊で財務が悪化した大手国有銀行に資本注入し、金融システムの安定化を図る考えを示した。
藍氏は「他の政策は研究中」と述べ、追加対策の可能性を示唆したものの、詳細は明らかにしなかった。
習近平政権は長引く景気低迷に危機感を強めており、9月下旬に中国人民銀行(中央銀行)が短期金利や預金準備率の引き下げなどの金融緩和策を発表。市場では大規模財政出動に期待が高まっていただけに、市場ではこの日の発表内容は「期待外れ」との見方が出ている。