ヒズボラ、徹底抗戦崩さず=イスラエルも攻勢強化―レバノン侵攻1週間 2024年10月07日 19時10分

 【エルサレム時事】イスラエル軍は7日、レバノン各地で軍事作戦を継続した。イスラエルがイスラム教シーア派組織ヒズボラ掃討のためレバノン南部へ地上侵攻を始めてから7日で1週間となる中、ヒズボラはイスラエル北部の主要都市ハイファにロケット弾を撃ち込んで負傷者を出すなど、徹底抗戦を続ける姿勢を鮮明にしている。
 イスラエル軍は6日夜から7日にかけても、ヒズボラの拠点があるとしてレバノンの南部や東部ベカー高原、首都ベイルート南郊を集中的に空爆。ヒズボラ情報部門本部なども標的となった。軍は7日、兵士2人がレバノン国境地帯での戦闘で死亡したと発表。地上侵攻後のイスラエル軍の死者は11人に達した。
 イスラエル軍は先月30日の地上侵攻開始後、レバノンでの作戦規模や範囲を徐々に拡大しているもようだ。軍の発表では、これまでにヒズボラ戦闘員440人を殺害し、2000以上の標的を攻撃した。6日には新たに1個師団がレバノン南部で「標的を絞った作戦」を開始した。
 ヒズボラは、先月末に最高指導者ナスララ師をイスラエル軍に殺害されて以降、一連の攻撃で組織弱体化が進んでいるとみられる。後継の最高指導者と目されたサフィエディン師は今月3日から4日にかけて行われた空爆の標的になったとされ、今も安否は不明だ。ロイター通信によれば、ヒズボラ幹部は新たな最高指導者の選出までには時間がかかるため、現在は一時的に集団指導体制になっていると語った。
 ヒズボラは7日、昨年10月のイスラム組織ハマスによる奇襲1年を機に声明を出し、ハマスに呼応して始めた対イスラエル攻撃を正当化。「指導部や軍事面で大きな代償を払ったが、抵抗の力で侵略を撃退できると確信している」と主張した。 

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