メキシコ初の女性大統領就任=シェインバウム氏、男性優位の価値観非難 2024年10月02日 06時12分

1日、メキシコ市で行われた就任式典で笑顔を見せるシェインバウム大統領(AFP時事)
1日、メキシコ市で行われた就任式典で笑顔を見せるシェインバウム大統領(AFP時事)

 【サンパウロ時事】メキシコで1日、左派のクラウディア・シェインバウム大統領(62)が就任した。スペインから独立して約200年のメキシコで、女性の元首は初めて。中南米で根強い男性優位の価値観「マチスモ」などの差別を非難し、「われわれが力を合わせ、メキシコがさらに繁栄し、自由かつ民主的で公正な国になると確信している」と強調した。
 任期は2030年までの6年間。首都メキシコ市の市長だったシェインバウム氏は6月の大統領選で約6割を得票して大勝し、上下両院も与党「国家再生運動(MORENA)」が制した。安定した権力基盤を背景に、格差是正など、前任のロペスオブラドール氏が取り組んだ「変革」を一段と進める。
 メキシコでは先月、最高裁判事の公選制導入を柱とする司法制度改革法が施行された。行政府や立法府も候補者を送り込めるため、三権分立を危惧する声が広がり、金融市場は動揺した。世界的なサプライチェーン(供給網)再編で米企業の工場が集まる中、新政権は説明責任が求められる。
 メキシコ経由で流入する不法移民が社会問題となっている米国と、良好な関係を構築できるかどうかも重要な課題となる。特に米大統領選で共和党候補のトランプ氏は、前回の大統領時代に移民問題でメキシコを責め、「国境の壁」を建設するなど厳しい姿勢を示す。返り咲けば大きな摩擦が生じる可能性もある。
 就任式典にはブラジルのルラ大統領や、ジル・バイデン米大統領夫人らが参加。日本は中曽根弘文元外相を特使として派遣した。 

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