イスラエル首相、ハマス投降拡大要求=ガザ南部都市で激しい抵抗も―WHO、医療体制の崩壊警告 2023年12月11日 19時03分

イスラエルのネタニヤフ首相=10日、エルサレム(AFP時事)
イスラエルのネタニヤフ首相=10日、エルサレム(AFP時事)

 【エルサレム時事】イスラエルのネタニヤフ首相は10日のビデオ演説で、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスの数十人の戦闘員が投降したと指摘した上で、依然抵抗を続ける戦闘員に「今すぐに降伏しろ」と要求した。空爆や地上作戦と並行して投降を促し、ハマスの組織壊滅を急ぐ構えだ。
 ネット上では、投降した戦闘員とされる下着姿の男性らが自動小銃をイスラエル側に引き渡す映像が出回っているが、ハマス側の士気低下を狙ってイスラエル側が意図的に流出させたとの臆測も出ている。ロイター通信によると、ハマス側は「偽物だ」と投降の事実を否定している。
 イスラエル軍は11日、ガザ北部ジャバリヤやシュジャイヤの作戦で、戦闘員の居場所を特定した上で空爆を加え、民家から自動小銃などを押収したと公表。使用準備が整ったロケット弾の発射台も発見したという。
 主戦場となっている南部の最大都市ハンユニスの住民がロイターに語ったところによれば、イスラエル軍の戦車部隊は10日、激しい夜間戦闘の末にハンユニス中心部に展開。市内を南北に貫く幹線道路に到達した。ガザ市からハンユニスに移動してきた男性はロイターに「(ハマスの)抵抗はすさまじく、銃撃音や爆発音が数時間鳴りやまなかった」と話した。
 また軍によると、10日までの24時間で、南部にあるモスク(イスラム礼拝所)に近接したハマスの通信施設など250以上の標的を攻撃した。一方、ハマスの報道官は、さらなるパレスチナ人釈放などの要求が満たされなければ「(イスラエルの)人質が生きて帰ることはない」と明言した。
 ガザでは医療体制の維持にも一層の困難が生じている。AFP通信によると、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は10日、36の病院のうち14しか運営できていない上、衛生状態が悪化していると指摘。「ガザの医療システムは崩壊寸前だ」と改めて警告した。 

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10日、パレスチナ自治区ガザ南部の難民キャンプで、イスラエル軍の攻撃を受け立ち上る炎と煙(EPA時事)
10日、パレスチナ自治区ガザ南部の難民キャンプで、イスラエル軍の攻撃を受け立ち上る炎と煙(EPA時事)

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