経済連携狙いEUに秋波=補助金やウクライナで温度差―中国 2023年12月05日 18時33分

中国の習近平国家主席=11月17日、米サンフランシスコ(EPA時事)
中国の習近平国家主席=11月17日、米サンフランシスコ(EPA時事)

 【北京時事】中国・北京で7日に行われる欧州連合(EU)との定期首脳会議を前に、習近平政権がEUに秋波を送っている。1日から欧州5カ国を対象に中国訪問時のビザを免除したほか、4日には王毅共産党政治局員兼外相がEU加盟国に関係強化を呼び掛けた。米欧の連携にくさびを打ち込む思惑のほか、EUと経済的結び付きを強め、低迷する景気のてこ入れを図りたい考えだ。
 「多国間主義の潮流は中国と欧州の利益にかなう。欧州の戦略的自主性を支持している」。中国外務省によると、王氏は4日、北京でEU諸国の外交官を一堂に集めた会合でこう訴えた。
 EUからは今週、ミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長が北京を訪れ、習国家主席と会談する。EUトップの訪中を控え、王氏は欧州に、米国の干渉を退け、中国との協力で得られる利益に目を向けるよう促した形だ。
 中国外務省はこれに先立ち、フランスとドイツ、イタリア、スペイン、オランダに対するビザ免除措置を施行した。投資や観光客の呼び込みが狙いだ。日本に対しては、従来認めていた免除措置を停止したままで、再開の条件として日本側もビザを免除する「相互主義」を要求。日本と同様に中国人のビザなし滞在を認めていない仏独などへの好待遇が際立つ。
 ただ、EUとは温度差がある。中国との貿易赤字は約4000億ユーロ(約60兆円)に上るとされ、政府の補助金を受けた中国製電気自動車(EV)が欧州市場の競争をゆがめているとの批判も根強い。ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、中国が十分な影響力を行使していないこともEUの不満の種だ。
 習氏はEUトップとの会談で、ウクライナやパレスチナ情勢について協議するほか、気候変動対策など協力可能な分野を模索する方針。共同声明は発表しないとみられている。 

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欧州連合(EU)のミシェル大統領=1日、ドバイ(EPA時事)
欧州連合(EU)のミシェル大統領=1日、ドバイ(EPA時事)

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